
SENSU
小粋に、あるいはお洒落に扇子を使っている人を見ると、自分も使ってみたいと思いませんか?
ところが実際、選ぶとなるとたくさんの種類があってどれを選べばいいのか分からない。
そんな人はいませんか?
気に入ったデザインを選ぶことはもちろん大切ですが、
絵柄だけでなくいろいろな角度から扇子を見てみましょう。
扇子は1000年以上の歴史があり、工夫やこだわりが隠されています。
そんな扇子の基本が分かり、上手に選ぶ方法をご紹介します。

天(てん)
扇面の一番上の部分です。
扇面(せんめん・おうぎめん)
あおぐ時に風を送る部分で、紙や布といった素材があります。紙そのもののことは地紙(じがみ)と言います。
骨(ほね、扇骨・せんこつともいう)
竹や木で作られた細長い板状の芯。素材そのままの骨もあれば、染めたり炎で炙った焼き骨などもあります。
親骨(おやぼね)
左右両端の太く丈夫な骨です。
中骨(なかぼね)
親骨にはさまれた内側の骨。透し彫りが施されていたり、波打つような曲線になっている物もあります。

要(かなめ)
扇子を根元で留めていて、ここが壊れるとバラバラになってしまいます。重要な部分で「肝心要(かんじんかなめ)」の語源になっています。
舞扇子や飾り扇子、男物扇子、女物扇子など、さまざまな種類がありますが、
ここでは扇子の構造を中心に見てみましょう。
まず扇面の素材ですが、主に和紙や布が使われています。
布を使った布扇子は絹、綿、麻、化学繊維とさまざまな素材で作られています。
模様が織り込まれていたり、レース生地だったりと
布が持つ独特の風合いが好きで愛用される方も多くいます。
和紙を使った紙扇子は、丈夫で耐久性に優れ、
あおいだ時に布扇子と比べてより強い風を起こすことができます。


扇子の裏を見ると、布扇子は「片貼り」といって、布の裏側から中骨を貼ります。
これは布の特性によるものです。紙扇子にも片貼りはありますが、
きちんと作られたものは、貼り合わされた紙と紙の間に中骨を指し入れるため、
裏側から見ても中骨が見えないという特徴があります。




一概に言えませんが、紙扇子は伝統的で布扇子はモダンな印象が伝わってくることが多いです。
扇子の印象を決める重要な要素が骨の数です。
間数(けんすう)と呼び、11間、35間などと言い表します。
意外に思われるかもしれませんが、間数によって扇子を見た時の第一印象が大きく異なるので
選ぶ時は間数にも着目しましょう。
骨の数が少ないと扇面の山折り、谷折りの間隔が広くなり、絵柄がはっきり見ることができます。
また骨の数が多いと、骨同士の隙間が狭くなり、あおぐ時に効率よく風を送ることができます。
次に扇子自体のサイズです。6寸5分(6.5寸)、7寸2分(7.2寸)などと表記され、骨の長さを表します。
この2つを組み合わせて扇子の種類を表します。
弊社では例えば「9寸×11間」のように表記し、これは骨の長さが9寸(約272mm)で骨の数が11本の扇子を表します。

■代表的な扇子の種類の一例
| 骨の長さ | 間数 | |
| 7寸2分(7.2寸)×35間 | 約218mm | 35本 |
| 6寸5分(6.5寸)×35間 | 約197mm | 35本 |
| 6寸5分(6.5寸)×12間 | 約197mm | 12本 |
| 9寸×11間 | 約272mm | 11本 |
結論から言いますと決まりはありません。
使う人の目的が果たせればいいので、難しく考えずに自由に気に入った扇子を選んでください。
一般的には、10間〜12間の扇子は飾ることを目的とした「飾り扇子」や、
慣習上に携帯する扇子であることが多く、
普段、あおいで使うには35間の扇子がよく使われますが、特にとらわれなくて結構です。
骨の素材は竹が一般的ですが、檜や金属といった素材などもあります。
また骨の色も竹の風合いをそのまま生かした物や、着色したり染めた物もあります。
気に入った素材を選んだり、TPOに応じて複数の扇子を使い分けるのも良いでしょう。
小振りな6.5寸の扇子は「女物扇子」。大きめの7.2寸以上は「男物扇子」と伝統的に呼ばれていますが、
厳密に決められたルールではないので、気に入った扇子をお使いください。

国内製造 製造工場は長野県辰野町にあり、熟練の職人たちが1本1本手作りしています。
地紙 仙貨紙(せんかし)と呼ばれる楮(こうぞ)を原料とした和紙で、耐久性、柔軟性に富み、
手触りの良い質感が特徴で、のし紙や掛紙として使われてきた紙を使用しています。
中附け 安価な扇子は、1枚の紙の裏側に直接骨を接着する「片貼り」ですが、
弊社では仙貨紙を貼り合わせた3層構造の地紙を使い、紙と紙の間に中骨を指し入れています。
このため扇子を裏返しても中骨が見えることがありません。
山折り・谷折りされた部分の丁度真ん中に指し入れなければならないので、
高度な技術が必要とされ、扇子の良し悪しを見極める大きなポイントと言えます。
閉じた姿 親骨を内側に曲げて閉じた時に締め付けるように「親タメ」という加工を行います。
型崩れを防ぎ、閉じる時に「パチン」と確かな手応えのある美しい扇子にするためです。
加えて中附けを丁寧に行うことで、扇子を閉じた時に山同士がずれていない美しい姿になります。

天金 仕上げとして、扇面の天に金粉を塗ります。
見た目の美しさと同時に、貼り合わせられている地紙が剥がれないようにするために行います。

香り付け 例外もありますが、白檀の香りを扇子に付けます。
あおいだ時にほんのりと感じられる上品な香りもお楽しみください。
検品 完成した扇子はすべて1本1本開いて、破損がないか、糊がはみ出していないかなど
ていねいに確認を行います。
セメ付け 最後に扇子の型が崩れないように「セメ(責め)」と呼ばれる紙の帯で固定します。
セメは捨てずに取っておいて、扇子を保管する時に再び使うと型崩れせず長くご愛用いただけます。
(紛失した場合、細長く切った紙で代用することができます)

多唐袋 納品形態は、扇子をポリ袋に入れてから多唐袋へ入れます。
ご希望に応じて一本箱に入れたり、扇子立を同梱して箱に入れたり、のし紙を巻いたりできます。

お名入れ ご希望に応じて扇面や親骨に内側または外側や、多唐袋、のし紙に名入れ印刷ができます。
詳しくはお問い合わせください。
弊社の扇子製作の工程を動画でご覧いただけます。動画視聴はこちらから